【免責事項】本記事は筆者の個人的な経験・判断に基づく情報提供を目的としており、保険の解約や特定の金融商品への投資を推奨するものではありません。保険の見直しは貯蓄額・家族構成・健康状態によって最適な答えが異なります。最終的な判断はご自身の責任のもと、必要に応じて専門家にご相談ください。
前回の記事(固定費見直しの記事)で「保険の見直し」を予告しました。今回はその実践編です。
最初に結論から言います。
私は50代で、終身保険・個人年金保険・養老保険・学資保険を、
すべて解約しました。
「え、全部?大丈夫なの?」と思われたかもしれません。
大丈夫です。ただし、勢いで解約したわけではありません。公的制度を調べ、数字で確認し、代替手段を用意したうえでの判断でした。
この記事では、私がどういう考え方で「全部解約」にたどり着いたのか、その判断プロセスをすべてお見せします。そして、この方法を誰にでもおすすめできるわけではない理由も、正直に書きます。
📋 この記事でわかること
- 保険が本当に必要かどうかを判断する「物差し」
- 私が「全部解約」と判断した3つの根拠
- 安易に解約してはいけない人の条件
- 「自分の場合」を数字で確認する現実的な方法
💭 そもそもの始まり——私が「利率の低さ」に気づくまで(正直な失敗談)
正直に打ち明けると、私は長いあいだ、自分が入っている保険の”お金の増えにくさ(利率の低さ)”に、まったく気づいていませんでした。
お恥ずかしい話ですが、私はFP2級を持っています。それでも、いざ”自分の保険”となると、中身をちゃんと分かっていませんでした。資格の知識と、それを自分の家計に当てはめて考えることは、まったくの別物だったのです。
今はYouTubeやネット検索で、こうした情報は誰でも手軽に調べられる時代。それなのに、「もっと早く自分で調べておけばよかった」と、正直、悔やんでいます。だからこそ今は、YouTubeなどでコツコツ学び直しています。
個人年金保険、養老保険、終身保険、そして外貨建て保険。「保険=安心」「貯蓄にもなるから」と思い込み、見直すこともなく、ただ払い続けていたのです。
💡 気づいたきっかけ
あるとき、「これまで払ってきた保険料」と「将来受け取れる金額」を並べて計算してみて、愕然としました。増えているつもりが、思ったほど増えていない——。とくに”貯蓄型”は、保障と貯蓄がセットになっているぶん、貯蓄としての効率(利回り)は、私の場合けっして高くありませんでした。外貨建てにいたっては、為替の動き次第で受取額が変わるリスクがあることに、あとから気づいたほどです。
とくに大きかったのが、契約したあとになって知った、次の4つの落とし穴でした。
① 「予定利率」と、実際に増えるペースは別もの
契約書には「予定利率 例:年2.45%」などと書かれていました。でも、そこから保険会社の手数料(保険関係費など)が差し引かれるため、実際に自分の手元で増えるペースは、その数字よりずっと低くなります。「利率2.45%」という言葉だけを見て、増えるものだと思い込んでいました。
② 途中で解約すると「元本割れ」することがある
加入から年数が浅いうちに解約すると、戻ってくるお金(解約返戻金)が、払い込んだ保険料より少なくなることがあります。「貯蓄になる」と思っていたのに、途中でやめると損をする——この仕組みも、あとから知りました。
③ 手数料の説明は、自分から聞かないと出てこなかった
私の場合、契約のときに手数料について詳しい説明を受けた記憶がありません。「予定利率○%」という良い面は伝わっても、そこから何がどれだけ引かれるのかは、自分で調べて初めてわかりました。
④ 「税金が控除されてお得」の”お得”は、思ったより小さい
終身保険は「生命保険料控除で税金が安くなるからお得」とすすめられ、その言葉だけを信じて入っていました。でも実際は、年12万円ほどの保険料を払っても、生命保険料控除には上限があり(新制度では一般の生命保険料で所得税は年最大4万円の所得控除)、そのおかげで軽くなる税金は、払った保険料に比べればごくわずかでした。「税控除でお得」という言葉と、実際に手元で得する金額には、大きな開きがあったのです。
保険の担当者が悪い人だった、という話ではありません。ただ、聞かれなければ説明されないこともある——だからこそ、「予定利率」だけでなく「手数料」と「途中解約したらいくら戻るか」まで、自分で確認することが大切だと痛感しました。
やっと気づいた私は、思いきって見直しを決断。そして2023年末からNISA、2024年からは新NISAで、コツコツと積立を始めました。
「もっと早く気づいていれば」という後悔は、正直あります。でも、気づいた今からでも遅くありません。同じように”なんとなく”貯蓄型の保険を払い続けている方に、一度立ち止まって計算してみてほしい——それが、この記事を書いた本当の理由です。
🤔 そもそも保険とは何のためのもの?
見直しを始める前に、私が一番納得した考え方を紹介させてください。
保険とは「起きる確率は低いけれど、起きたら家計が破綻するような損失」に備えるもの。
たとえば、自動車事故で何億円もの賠償責任を負うケース。火事で家を失うケース。これは貯金ではとても対応できないので、保険が合理的です。
逆に言えば、貯蓄で対応できる範囲の出費は、保険でカバーする必要がないということになります。
この物差しを手に入れてから、自分の保険証券を1枚ずつ見直していきました。
✅ 私が「全部解約」と判断した3つの根拠
根拠①:医療費は「公的保険+高額療養費制度+貯蓄」で対応できると確認した
日本の公的医療保険では、自己負担は原則3割。さらに高額療養費制度があるため、1か月の医療費の自己負担には収入に応じた上限が設けられています。
つまり、入院や手術で医療費が数百万円かかったとしても、実際の自己負担はその一部にとどまります。
私は「もし大きな病気をしたら、自己負担はいくらになるか」を自分の収入区分で試算しました。その結果、貯蓄で十分対応できる金額だと確認できたので、医療保障を保険で持つ必要はないと判断しました。
💡 会社の「健康保険組合」なら”付加給付”も要チェック
さらに、大企業などの健康保険組合には「付加給付」があり、高額療養費制度の上限よりも、自己負担がもっと低く抑えられることがあります(例:1か月の自己負担が2万5千円ほどを超えた分は払い戻される、など。内容は組合によって異なります)。
私はこれを、会社から教わったわけでも、同僚が知っていたわけでもなく、あとから自分で調べて初めて知りました。使える制度なのに、意外と知られていません。ご自身の勤務先の健保組合にも、こうした制度がないか一度確認してみてください。
根拠②:私が亡くなった場合も「遺族年金+貯蓄」で家族の生活が成り立つと確認した
死亡保障についても同じです。公的年金には遺族年金の仕組みがあり、残された家族には一定の給付があります。
私の場合、子どもにかかるお金の山場はすでに越えており、「遺族年金+これまでの貯蓄」で家族の生活が成り立つことを確認できました。だから、大型の死亡保障はもう不要でした。
💡 ここがポイント
20代・30代で加入したときは、子どもが小さく貯蓄も少なかったので、大きな死亡保障に意味がありました。でも50代の今、状況はまったく違う。「昔のままの保険は今の自分に合っていない」ということです。
根拠③:貯蓄型保険(個人年金・養老・学資)は、運用としては効率が悪いと判断した
個人年金・養老・学資は「保障」と「貯蓄」がセットになった商品です。一見お得に見えますが、中身を分解すると、運用部分の利回りはかなり控えめです。
私は解約返戻金も含めて、その資金をNISAでの投資信託の積立(全世界株式・米国株式インデックス)に切り替えました。保障は前述のとおり公的制度と貯蓄でカバーできるので、「保障は公的制度、運用はNISA」と役割を分けたほうが、私にはすっきり合理的でした。
※NISAでの具体的な始め方は 投資が怖かった50代の私がNISAを始めた正直な理由 で詳しく書いています。
⚠️ ただし:これは「誰でも真似していい話」ではありません
ここが今日いちばん伝えたいことです。
私のケースは、次の条件がそろっていたから成立しました。
✅ 私が解約できた条件
- 当面の生活費+医療費に対応できる貯蓄がすでにあった
- 子どもの教育費の山場を越えていた
- 健康状態に大きな不安がなかった
❌ こんな方は安易に解約しないでください
- 貯蓄がまだ十分でない方──保険が「貯蓄が育つまでのつなぎ」として機能している場合があります
- 持病がある・健康に不安がある方──一度解約すると、同じ条件では入り直せないことがあります
- 貯蓄型保険の解約を検討中の方──解約のタイミングによって戻ってくるお金(解約返戻金)が大きく変わります。あと数年で返戻率が上がる商品もあります
つまり、「見直すべきかどうか」の答えは、貯蓄額・家族構成・健康状態によって全員違うんです。
私の記事はあくまで「私の場合の判断プロセス」であって、あなたの正解はあなたの数字の中にしかありません。
📊 「自分の場合はどうか」を確認する、現実的な方法
私は公的制度を一つひとつ調べて、自分で試算しました。
ただ、正直に言います。かなり大変でした。
高額療養費の自己負担上限は収入によって違うし、遺族年金の額は家族構成や加入状況で変わる。保険証券の読み解きも一苦労です。調べものが好きな私でも、納得できるまでに相当な時間がかかりました。
今なら、この試算を無料のFP(ファイナンシャルプランナー)相談でやってもらえます。
💡 大事なのは「相談の使い方」
「保険に入るための相談」ではなく、「自分に必要な保障額を数字で出してもらう場」として使う。
- 公的保障(高額療養費・遺族年金)で自分はどこまでカバーされるのか
- 今の保険のうち、重複・過剰になっているものはどれか
- 解約するなら、返戻金のタイミングはいつがいいのか
相談したからといって、契約する義務はありません。提案を聞いて「やっぱりやめます」でいいんです。
📅 相談当日までの流れ(思ったより簡単です)
📌 STEP1:申し込み
フォームに入力するだけ(5分程度)
📌 STEP2:日程調整
オンラインか対面かを選択
📌 STEP3:当日
用意するのは保険証券。ねんきん定期便があればベター。所要1時間程度
💡 事前準備のおすすめ
保険証券を引っ張り出して「月いくら払っているか」を合計しておくことだけおすすめします。この数字を見るだけで、見直しのモチベーションが一気に上がります(私は合計額を見て驚きました)。
✅ まとめ:保険の見直しは「解約すること」ではなく「自分の数字を知ること」
| ステップ | やること |
|---|---|
| ステップ1 | 保険証券を集めて、月額の合計を出す |
| ステップ2 | 「貯蓄で対応できる損失か?」の物差しで各保険を眺めてみる |
| ステップ3 | 無料FP相談で、公的保障+必要保障額を自分の数字で試算してもらう |
私は全部解約という結論になりましたが、あなたの結論は「一部だけ減額」かもしれないし、「今のままで適正」かもしれません。
どの結論であっても、自分の数字を知ったうえでの結論なら、それが正解です。
「なんとなく払い続ける」から「納得して選ぶ」へ。50代からでも、遅くありません。


コメント