【ご注意】本記事は筆者の個人的な体験・考えに基づく情報提供を目的としたものです。特定の保険・金融商品の加入や解約を推奨するものではありません。返戻率や条件は加入時期・商品改定で変わります。判断は公式情報を確認のうえ、ご自身の責任で行ってください。
「返戻率108.3%」——保険の説明でこの数字を見たとき、私は「へえ、108%も戻るならお得かも」と思って、ある積立保険(明治安田生命の「じぶんの積立」)を月1万円で始めました。
でも結局、10か月で解約しました。損はしていません(元本割れしない商品なので)。なぜ始めて、なぜやめたのか——そこには、「返戻率」という数字の”本当の読み方”がありました。
📌 そもそも「じぶんの積立」とは?
明治安田生命の「じぶんの積立」は、月5,000円〜1万円を5年間積み立てて、10年後に満期で受け取る貯蓄型保険です。元本割れせず、いつでも解約でき、生命保険料控除も使えるのが特徴。満期の返戻率は108〜110%(=10年で約1割ふえる)という仕組みです。
📋 この記事でわかること
- 「返戻率」とは何か(超シンプルに)
- 「108%」の”本当の意味”(年あたりに直すと?)
- 私が10か月で解約した理由
- じぶんの積立の良い点・向いている人(公平に)
🤔 そもそも「返戻率」って何?
返戻率(へんれいりつ)とは、払ったお金に対して、最終的にいくら戻ってくるかの割合です。
返戻率 = 受け取る総額 ÷ 払い込む総額 × 100
たとえば100万円払って108万円戻るなら、返戻率は108%。100%を超えていれば「払った以上に戻る」ので、一見お得に見えます。私も、まさにそう思いました。
⚠️「108%だからお得」——ここに落とし穴がありました
私が見落としていたのは「期間」です。じぶんの積立の返戻率(108.3%、今は110.0%)は、5年間払い込んで、10年間預けた”満期時点”の数字なんです。具体的に計算してみます。
🔢 満期(10年)まで持った場合の例
月1万円 × 12か月 × 5年 = 60万円払込
満期(10年後)に返戻率110%なら → 66万円受取
増えるのは6万円。つまり「10年かけて1割ふえる」ということ。
年あたりに直すと、ざっくり1%前後です(お金を少しずつ入れて長く預ける仕組みなので、実際の年利回りはさらに控えめになります)。
「110%」と聞くと、つい“年10%も増える”ように錯覚してしまいます。でも実際は“10年で1割(10%)”。年あたりに直すと、たったの約1%です。
(年利の出し方はかんたん。10年で10%なら、10で割って年1%。しかも積立型で、お金が全額そろうのは後半だけなので、実際の年利はさらに控えめになります。)
この”年10%のつもりが、実は年1%”というギャップこそが、積立保険の数字の最大の落とし穴でした。
💭 だから私は、10か月で解約しました
月1万円を積み立てながら、「これ、10年も預けっぱなしでいいのかな…?」というモヤモヤが、少しずつ大きくなっていきました。
.
「年あたり1%前後で、10年間はお金が拘束される」——この意味に気づいたとき、私は「それなら、自分で運用したい」と思いました。
じぶんの積立は元本割れしないのが特徴で、払込期間中に解約しても、払ったお金は100%以上戻ります(=元本割れしません)。だから私は、10か月で払った10万円をそのまま取り戻し(損なし)、そのお金は自分で選べるNISAに回すことにしました。
⚖️ 公平に——「じぶんの積立」は悪い商品ではありません
誤解しないでほしいのですが、じぶんの積立は”悪い商品”ではありません。むしろ、貯蓄型保険の中では良心的な部類だと思います。
- 元本割れしない(払込中に解約しても100%以上戻る)
- いつでも引き出せる安心感がある
- 生命保険料控除が使える(※控除には上限があります)
「預金の代わりに、少しでも増やしつつ、生命保険料控除の枠も使いたい」という目的ならアリだと思います。ただし“大きく増やす”目的には向きません。要は「自分の目的に合っているか」。私の場合は”増やしたい”が目的だったので、合っていなかった、というだけの話です。
✅ 数字の読み方——返戻率は「年あたり」に直して比べる
この経験で私が学んだのは、次のことでした。
- 返戻率は「トータルの割合」。必ず「何年で」その数字になるかとセットで見る
- 「年あたり」に直して、預金やNISAなど他の選択肢と比べる
- 元本割れしないか、途中で引き出せるかも確認する
- 「○%」という言葉だけで判断しない
📊 本質で比べる——積立保険と”性質がそっくり”な「個人向け国債(変動10年)」
返戻率108〜110%の”本当の姿”を知るには、同じ「10年・元本保証・年1%前後」の商品と比べるのがいちばんわかりやすいです。それが個人向け国債(変動10年)。私自身、今年2月から変動10年を50万円分持っています。
| 比べる点 | じぶんの積立 | 個人向け国債(変動10年) |
|---|---|---|
| 性質 | 積立型の保険 | 債券(国にお金を貸す) |
| 元本 | 割れない | 元本保証(国が保証) |
| 期間 | 10年(満期) | 10年(満期) |
| 年あたりの増え方 | 約1%前後 | 直近は年1%前後(変動金利) |
| 中途解約 | 元本割れなし | 直近2回分の利子相当が差し引かれる(元本は割れない・軽いペナルティ) |
| 税金 | 生命保険料控除あり | 利子に20.315%課税 |
数字だけ見ると、じぶんの積立の「返戻率110%」は、国債の利回りとほぼ同じ水準。つまり「返戻率108%」は“10年かけて、年1%ずつ増える”という意味で、性質としては国債に近いのです。この比較で、返戻率の”本質”が一気にクリアになりました。
※個人向け国債(変動10年)の金利は半年ごとに見直される変動制で、最低でも年0.05%が保証されます。発行から1年経てば中途換金でき、その際は直近2回分の利子相当が差し引かれますが、元本は割れません。
.
🏦 生活感で選ぶなら——「1年定期」という手もあります
本質は国債との比較で見えました。でも、実際に自分が”選ぶ”となると「期間の自由度」も大事です。そこで私は、auじぶん銀行の「1年もの円定期預金」に入れました。特別金利と、au・UQ mobileユーザー向けの現金特典を合わせて、年1.25%相当(税引後 年0.99%)・元本保証でした。
※私が申し込んだのは2025年12月〜2026年2月のキャンペーン(年1.25%相当/税引後0.99%)で、現在は受付終了しています。その後、2026年夏には年1.30%(税引後1.03%・2026年8月末まで)のキャンペーンもありました。定期預金の金利はこのように時期・キャンペーンで変わるので、申し込むときは”そのときの条件”を必ず確認してください。
| 比べる点 | じぶんの積立 | 私が入れた1年定期 |
|---|---|---|
| 数字 | 返戻率110%(10年満期) | 年1.25%相当(税引前) |
| 年あたり(税引後) | 約1% | 約0.99% |
| お金のしばり | 10年(途中解約は増えない) | 1年で自由 |
| 元本 | 元本割れなし | 元本保証 |
💡 比べるときは、必ず”税引後”で
利息や運用益からは、税金が約2割(20.315%)引かれます。だから”税引前”の数字ではなく、“税引後”の年利で並べるのが本当の比較です。数字は”税引後・年あたり”にそろえて見ましょう。
.
年あたりのリターンは、どちらもほぼ同じ約1%。でも大きく違うのは”期間”です。積立保険は10年しばり、定期預金は1年で自由。
同じくらいの利回りなら、私は自由に動かせる定期預金を選びました。「返戻率110%」という大きな数字に惑わされず、”年あたり&期間”で並べたからこそ、自分に合うほうが見えたのです。
✅ まとめ
- 「返戻率108%」は”10年満期で1割ふえる”の意味。年あたりにすると約1%
- 数字は「期間」とセットで、「年あたり」に直して比べる
- じぶんの積立は元本割れなし・保険料控除ありで良心的。でも”大きく増やす”には不向き
- 私は数字の意味に気づいて10か月で解約(損なし)、自分で選ぶ運用へ
- 同じ年約1%でも、10年しばりの積立保険より、1年で自由な定期預金を選んだ
数字にちょっと立ち止まって「これって、年に直すとどのくらい?」と考える習慣が、お金を守る力になります。
.
👉 今日の1分アクション
いま持っている保険や預金の”年あたりの利回り”を、一度ノートに書き出してみてください。数字を並べるだけで、あなたのお金が”どこで眠っているか”が一目で見えてきます。

コメント